macintosh
Vol.89
18/Dec 2001
12/Oct 2002 mod

Mystery of Memory Performance

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208_ Flash memory (Boot ROM)

208_ Flash memory (Boot ROM)

ハードウェアの自己診断、初期設定を行い、ハードディスク内部のMac OS ROMファイルを読み込むのがBoot ROMである。

Open Firmwareのデバイスツリーを見ると、ハードウェアの細かい設定なども確認できるはず。

起動直後のメモリパフォーマンスが異常に低いのはBoot シーケンスに問題があるのではないかと考える。

209_ Memory performance and Graphic data transfer performance

問題がUni-North ICにあるのかPowerPC 7451のMPX Busにあるのかが興味のあるところ。

メモリ単独の速度計測は赤い矢印に相当する経路のパフォーマンスを調べることになる。同様に、描画コマンドを主体とするテストは緑の矢印の、メモリからRADEONへデータを転送するCopybit命令は紫の経路を測定することになる。

これら経路の違いを考慮すると、速度低下位置が類推できるだろう。

 

209_ Memory performance and Graphic data transfer performance

210_ Graphic performance before sleeping

211_ CINEBECH2000
210_ Graphic performance before sleeping

メモリのパフォーマンスが低下している時と正常動作しているときのグラフィックベンチマークの相対値。赤い線が遅いときの結果。青のエリアで示したCopyBit関連が20%ほど速度低下していることがわかる。その反面、大量のコマンド送出が行われる他のテストの結果の違いはわずかで、図209の緑の矢印のパフォーマンス低下はわずかである。

211_ CINEBECH2000

MAXON Computer GmbHがリリースする3Dエンジンのベンチマークテスト。3DソフトウェアシェーディングとOpenGL使用の効果を客観的にみることが出来る。今回、平均的なアプリケーションベンチマークとしてソフトウェアシェーディングの速度を比較してみた。


の中では、PowerBook G4にcomboドライブが搭載され、再び脚光を浴びていますが、その陰で不可解な現象に頭を悩ましている人もいるようです。何を隠そう私もその一人です。

マザーボードを紹介した11月6日の185_ PowerBook G4 Gigabit Ethernet logic boardの部分で簡単に触れましたが、PowerBook G4 667のFSBは133MHzになったはずと、早速CacheMark 1.6.1や他のメモリ速度を計測するソフトで、その実力を測定しみました。しかし結果は、66MHz相当の性能しか得られませんでした。11月15日に201_ PowerPC 7451/667 and Rev. 11 Uni-North IC memory performanceを発表したときは、何度も測定を繰り返し、やっと納得のいく結果を得て、公開に至りました。しかし、最初に出た悪い結果についての考察は、実のところ終了していなかったのです。

多くの読者、またはMLやBBSの書き込みを参考に、問題を整理してみた結果、非常に簡単にこの不可解な現象の再現が可能であることがわかりました。

PowerBook G4 Gigabit Ethernetの場合、起動直後はメモリパフォーマンスが悪く、一回スリープさせてから、復帰すると改善したのです。100%の再現性があって、調査を開始することができました。それでは、どの部分が具体的に低下しているのでしょうか。

PowerPC 7451とメインメモリの間にはUni-North ICがあって、MPX Busで接続しています。問題はMPX Bus側にあるのか、それともUni-North IC側にあるのかを考えてみることにしました。209_ Memory performance and Graphic data transfer performanceに示すように、ベンチマークテストを行い3種のデータ転送経路のパフォーマンスをチェックすることにしたのです。

まず始めに、ブロック転送を主体とするメモリ転送能力をCacheMark 1.6.1で(赤い矢印)、そしてMacBench V3.0改(漢字)を利用して、MPX BusからAGPを経由するグラフィックパフォーマンス(緑の矢印)、特にCopybitと呼ばれる、メモリからMPX Busを往復し、AGPに至る描画性能(紫の矢印)を調べました。

スリープさせる前と後では、メモリ転送能力が半分になっていることが確認できました。また、210_ Graphic performance before sleeping のホイールを見ると、とくにCopybitの性能低下が目立ち、そのほかの命令ではあまり性能が変わらないこともわかります。この傾向から、パフォーマンス低下はMPX Bus側というよりもUni-North ICとメインメモリ周りであることが予想されます。

それでは、このパフォーマンス低下が実際のアプリケーションレベルで計測されるか否かを調査しました。211_ CINEBECH2000はソフトウェアによる3D shadingをはじめ、浮動小数点演算を主体とするRaytracingテストを客観的に測定することが出来るベンチマークテストです。とくにソフトウェア3D shadingテストはアプリケーションの規模や負荷程度が実際のアプリに近く、大変参考になると考えます。

212_ Result of CacheMark and CINEBENCH に結果を示しましたが、約4%の速度低下を計測しました。256キロバ


イトのL2キャッシュを搭載するPowerPC 7451は、50%のメモリ性能の低下を4%まで圧縮することができたと、褒めるべきかもしれません。しかし、一旦スリープさせれば4%の性能向上があるのです。この4%を無視できるものととるか、不具合ととるかは、みなさまにゆだねますが、私はこの問題を重要視します。

今後、Firmware updateもしくはMac OS ROMファイルのバージョンアップで解消する程度の問題です。アップル社には速くこの問題を認識していただき、解消されることを待ちます。

PowerBook Conference:PowerBook G4 550 メモリ転送速度の低下について

212_ Result of CacheMark and CINEBENCH

謝辞

兄貴工房様のCacheMarkは、測定に大変役立っています。ほんとうにありがとうございます。

また、速度低下とSleepの関連をご指摘くださった匿名様、PBC関係者のみなさまにも御礼申し上げます。

212_ Result of CacheMark and CINEBENCH

速度低下時と、改善時それぞれのベンチマークテスト結果。メモリ転送速度はCacheMark 1.6.1を、そのほかには前述のCINEBENCHを用いた。テスト機はPowerBook G4 550 Gigabit Ethernetで、プリインストールされたOSを最新の9.2.2へアップグレードしただけのクリーンなもの。

メモリ転送速度だけ見れば50%、アプリケーションレベルでも4%ほどの速度低下が計測された。

Top > Macintosh > PowerBook G4 Gigabit Ethernet > Firmware Update 4.2.9

Firmware Update 4.2.9の英語版がリリースされました。このアップデータを適応することで、MacOS XでのTarget disk modeを向上させ、1ギガバイトのメモリを搭載した時の起動を改善、そしてGigabit EthernetでのNetbootをサポートするようになるそうです。PowerBook G4 Gigabit EthernetのFirmwareバージョンは4.2.6f1(11/Sep 2001)でしたが、これが4.2.9f1になりました。

起動時のメモリアクセス低下が改善しているのではないかと期待しましたが、残念ながら4.2.9f1でも同様、アクセス低下が確認されました。

メモリアクセス速度の低下がMac OS X 10.1.2で起きていることも確認しました。Mac OS Xの場合、スリープから解除することでも問題が解決しないため、現在これを回避する方法がありません。また、Mac OS Xでも速度低下を認めることから、問題はFirmwareにあることが濃厚になりました。引き続き、問題の経過を観察します。

NEW12/Oct 2002 引き続き、メモリアクセス低下を認めたPowerBook G4 667 Gigabit Ethernet (Onyx)を調査しています。完成度が向上し、十分実用に耐えるようになったMacOS X 10.2.1でも、かわらずメモリパフォーマンスの低下が確認されました。改善されていません。

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