macintosh
Vol.70
25/Jan 2001

PowerBook G4 Mechanism

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118_PowerBook G4

118_PowerBook G4 titanium

出荷の遅れが懸念されているPowerBook G4 titanium。外装にチタンを、内部にカーボーンファイバー樹脂を使用し、強度と軽量化を目指す。「チタン」という材質が連想させる高級感を性能部品として取り入れることができるだろうか。

Apple広報の公開条件に従い、画像を調節し掲載しました。

119_Broken Clutch

PowerBook G3 Series 1998で破損した、液晶根本のヒンジ部分。金属疲労が原因と考えていたが、専門家の意見より、設計不良が示唆された。

119_Broken Clutch

120_PowerMac G3 Series 1998 Clutch parts

液晶にかかる垂直な力、例えば通勤中に鞄の中で液晶部分が押さえられたときなど、奥の矢印の力がかかる。中央の軸受けを中心に、手前側では上向きの力が発生する。

クラッチパーツはワッシャー様のパーツが積層されている。その部分はオイルでみたされており、その粘性で液晶が自在な場所で保持される。

回転方向の摩耗には強く、2年経過したクラッチには、すり減った部分は見受けられなかった。個々の部品に遊びが出ないよう、小さな爪でクラッチケースに固定されている。しかし、矢印の様な力が発生したとき、この部分で金属の破断が起こり、クラッチにぐらつきが出てしまった。

引っ張り方向に弱いアルミ鋳造部品に対して設計の不備が示唆される。

 

 

120_PowerMac G3 Series 1998 Clutch parts

121_PowerBook G4 clutch parts

121_PowerBook G4 clutch parts

PowerBook 1400と同じ両方に支持点がある。デザイン的にはスマートとは言えないかも知れないが、強度的には期待できるだろう。補足を参照してください。

(図は想像図)

122_Apple-PowerBook-Technical Specifications*1

現在、国内には2台しか実機が存在しないという。資料も限られている。

Macworld EXPO SFのキーノート直後に公開されたアップルのWebページと翌日公開されたDeveloper Noteなどの僅かな資料しか入手できない。

Apple広報の公開条件に従い、画像を調節し掲載しました。

 

122_Apple-PowerBook-Technical Specifications

 

120_PowerBook G4 titanium (reverse)

120_PowerBook G4 titanium (reverse)

再度掲載するPowerBook G4 titaniumの裏側画像。これは上記の小さな低解像度写真を参考にCADで作成した。全てのヒントは右側の小さなチップにある。

121_PowerBook G4 (obverse)

121_PowerBook G4 (obverse)

表側はヒートシンクの形状のみ判っている。PowerBook G4の内部で発熱する主要部品と、基板裏の構造から、必要パーツをパズルのように配置してみた。


PowerBook G4 titaniumのアナウンスは有ったものの、国内の主要な雑誌社でも、実機を貸りることは出来ず、写真撮影すらままならない状況だそうです。そうしたなか、出荷が遅れるという話が出ているなど、PowerBook G4のスタートは良いものではありません。

MacWorld EXPOで実物を見てきた人の意見を聞いても、賛否が分かれています。例えば液晶パネルの後ろを押さえると、いとも簡単に液晶が変形しモアレ縞がでてしまうそうです。今回のPowerBook G4は、titaniumという素材が醸し出す高級感や、カーボンファイバーフレーム、チタン外装による軽量化など、筐体材料自体が「性能部品」になりえるかということで、評価が違ってきます。質感など、実物を見ることなく論ずることは出来ません。続きは後日と致しましょう。

情報は限られています。Developer Note*2と数ページのApple社のWeb site、そして数個のTILなどだけです。その中から、判る範囲で考えていきましょう。

120_PowerMac G3 Series 1998 Clutch partsをご覧下さい。PowerBookは液晶を上から押さえると、非常にもろい構造であることがわかります。これはMacTree Mailing Listでご活躍中の冨士氏より詳細をお伺いしました。

回転方向に対しては設計通りの役目を果たすclutchも、上記のような例ではクラッチカバーの破断が起きてしまうのです。クラッチケースの破断は、そのクラッチパーツの飛散を引き起こし、PowerBook内部に脱落した場合、故障の原因にもなります。冨士氏は、設計に問題があるとして、意図的な遊びを作り、真鍮削りだし部品で置き換えてしまわれたそうですが、そうした技量、設備のないわれわれは、遊びが出たらケースの破損を心配し、早期に交換修理をすべきだと思われます。

121_PowerBook G4 clutch partsは、想像図ですが、PowerBook G4のヒンジ部分を拡大してあります。PowerBook 1400と同じ、両方に支持点をもつ構造になっているようです。デザイン的には妥協があったのかもしれ

ませんが、こうした機能部分に意味のある構造がとられていることは好感がもてます。補足を参照してください。

120_PowerBook G4 titanium (reverse)は、122_Apple-PowerBook-Technical Specificationsで公開された、低解像度の基板写真をもとに作成しました*1。写真中央の大きめのチップは特徴的な色彩からKeyLargoと呼ばれるI/O interface chipであることがわかります。ATA-66やDVD-ROM用のEIDE、AirMac、USB、modemなどへのインターフェースなど多岐にわたる処理を一手に引き受けています。斜め下のAirMacカードの近くの大きめのチップは、中央のテキサスインスツルメンツのロゴからPCI1211 CardBus bridgeであることは容易に予想できるでしょう。

最後に余った小さめのチップは何でしょうか。基板のサイズから逆算し、使用されているチップのなかから当てはまるのは、4Mbit Synchronous SRAM、L2 cacheだろうと予想さます。Synchronous SRAMへは基板上で唯一250MHzで駆動され、もっとも高速な部分です。CPUまでの


距離は短く、途中にソケットなどの部品はないことが一般的です。また二つのSRAMからCPUまでの距離はほぼ同じにすることが多いので、基板表の同じ場所にSRAMを配置してみました。ヒートシンクの形状や、SRAMの位置からPowerPC 7410の場所は基板のほぼ中央にあり、そのすぐ脇にPowerBookのもう一つの心臓とも呼ばれるUni-North Memory/PCI/AGP interface ICがあると考えられます。RAGE Mobility 128は8MbyteのVRAMを内包し、基板の右側、モデム基板の下にあるでしょう。基板の左側にはキーボードソケットがありますが、ここにはPMU99があると思われます。またこの付近には電源回路や液晶用インバーターがあると思われます。

こうして眺めると、CPUは基板に直接設置されており、アップグレードは無理であると思われます。

Expansion Bayが廃止されたことと合わせ、拡張が否定されたPowerBook G4に対しての評価はどうなるのでしょうか。

私の奥さんは、「今度のパワーブック、外側が変わっただけでしょ。チタンカバーの時計は、軽いけど安っぽいし、傷もつきやすいからだめね」と厳しい意見です。地核に含まれる元素としては9番目と、資源的には多いものの精錬にはアルミよりも電力を消費するチタンという材料、アップグレードパスを否定したデザインコンセプト、消費電力に不安の残るG4、PowerBook G4が新世紀にふさわしいPowerBookで有るか否かは、みなさまと考えていきましょう。

5/Apr 2001 補足

PowerBook G4のヒンジ部分について分解した結果、残念ながらPowerBook G3系と同じ片側支点によるクラッチが採用されていました。ただし、材質、製法が変わった様で、耐久性に関しては今後の観察が待たれます。

謝辞

Clutch部分の強度についての専門的な説明をしていただき、冨士様には大変感謝しております。こんごともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 


#1 http://www.apple.com/powerbook/specs.html

#2 PowerBook G4 Developer Note(PDF)

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Written/Edited by Y.Yamamoto M.D.
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