macintosh
Vol.100
19/Sep 2002

U2 system controller

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259_ PowerMac G4 Mirrored drive doors and U2 system controller
259_ PowerMac G4 Mirrored drive doors and U2 system controller

PowerMac G4 Mirrored drive doors 1GHz Dualのマザーボードに使用されているU2 system controllerは、今後のPowerBookシリーズにも採用される重要なチップである。

Uni-North 1.5との違いを観察する。もっとも異なる点はDDR SDRAMのサポートにるPC2700メモリインターフェース部分といえるが、もう一点、ATA100インターフェースの内蔵も忘れてはならない。

ATA100インターフェースコネクタはSnapper Audio回路(マザーボード表側にTAS3004がある)を迂回して、U2 system controllerに直結していた。

260_ PowerMac G4 Mirrored drive doors Mother board (the front side)

雑誌などでもおなじみのマザーボード表側である。IEEE 1394a用と思われる空きランドがXserve同様搭載されている。ATAインターフェースは右上にU2 system controllerからのATA100、左上にKeyLargo ICからのATA33とATA66が3系列用意されている。

Gigabit Ethernet PHYやSnapper Audio用DSP、KeyLargo ICはいずれもPowerBook G4 DVIで使用されたものと同じで、チップサイズは従来よりも小型化されていた。

260_ PowerMac G4 Mirrored drive doors Mother borad (the front side)

261_ PowerMac G4 Mirrored drive doors Mother borad (the reserve side)

表側よりも、より重要な情報が得られるのは裏側である。U2 system controllerからsecondary PCIバスへは特にPCI-PCIブリッジは見あたらなかった。先に予想した258_ Imaginary block diagram of the PowerMac G4 mirrored drive doorsはAudio回路がSnapper Audioである以外、ほぼ間違いないと考えて良さそうである。

U2にはヒートシンクが取り付けられていたが、熱発生量はそれほど大きくないようだ。

それと比較すると本来、ヒートシンクがあまり必要ないはずのでデジタルパワーAMPのTRIPATH TA2024にはヒートシンクが加えられている。

基板中段の右側、KeyLargo ICとAir Macコネクタに挟まれた部分に、Power Book G4 DVIにもあった、15mm×15mmの176pin-mini BGAの空きランドがある。

261_ PowerMac G4 Mirrored drive doors Mother borad (the reserve side)

262_ Memory block transfer performance of U2 system controller and 167MHz MPX Bus

262_ Memory block transfer performance of U2 system controller and 167MHz MPX Bus

CacheMarkを利用してMacOS 9.2.2上で測定した、メモリ転送能力をUni-North 1.5および133MHzのMPX Busを搭載するPowerBook G4 DVI 800と比較した。

CPUに内蔵されるL1、L2およびL3領域の転送能力はほぼクロック比と同じ向上率を見せた。

外部メモリへのアクセスの改善度は31%〜34%であり、クロック上昇率よりも若干よかった。しかし、PC2700のDDR SDRAM採用で期待される向上率である100%には遠く及ばない。

MPX BusがSDRであるため、ボトルネックになっていると考えるのが順当だろう。

263_ ATA interface and AGP performance
263_ ATA interface and AGP performance

Xserveではハードディスクのパフォーマンス向上にRAIDコントローラーにもなるPromise PDC20270を外部PCIバスに直結することで実現していた。それと比較すると、PMG4 MDDのATA100インターフェースはU2 Controllerに内蔵されるインターフェースで実現している。

ATA100インターフェースの性能を測定することにした。ST-380021A (Barracuda ATA IV 80021, Ultra ATA/100)の、バッファー領域にヒットする最大転送速度を求めた。方法はExpressPro-Toolsを用い、同じハードディスクをPMG4 MDD 1GHzのATA100に接続した場合とATA66に接続したものを比較した。

結果は、ATA100でも最大53Mbyte/sevとPowerBook G4 DVIと比較してもふるわなかった。

同様にGPUへのデータ転送能力を測定した。グラフィックカードによる影響を最小限に押さえるため、167MHzのMPX Busを採用したPMG4 MDD 1GHzにATI 9000Proを組み合わせたものと、133MHzのMPX Busを採用したPMG4 MDD 867MHzにATI 9000Proを組み込んだものを比較した。

867MHzと1GHzの差は21%であった。

264_ PowerMac G4 mirrored drive doors 1GHz with XPC7455RX1000PC

264_ PowerMac G4 mirrored drive doors 1GHz with XPC7455RX1000PC

PowerMac G4 mirrored drive doors 1GHzに搭載されていたCPUは、XPC7455RS1000PCだった。記載されているマスクロットは1L96Cで、XPC7445/7455 Microprocessor MOS-13 HiP6SOI Rev. 2.1 Qualification Report(PDF) によると、Fab 25 (Autin TX)で生産されている。0.18μmの従来と同じPowerPC G4であり、現在公開されている資料にはFSBを167MHzにするコンフィグレーションの記載はない。


Uni-North ICもXserveでver. 2、すなわちUni-North 2 system controller (U2 system controller)に進化しました。このとき注目されたのはPC2100メモリ、すなわちDDR SDRAMのサポートです。

しかし、XserveではPowerPC G4のFSB(MPX Bus)がSDRのままであったため、メモリ性能向上は限定されたものでした。PowerMac G4 Mirrored drive doorsでPowerPC G4のFSBが133MHzから166MHzに改善されましたが、インターフェースはSDRのままでした。

CPUの変化が緩慢であるのに対し、システムの要であるNorth Bridge ICの進化は着実に行われています。特に今回、South Bridgeの機能を一部統合したU2 system controllerは、Appleのハードウェア戦略を占う上で最も重要なチップであることは間違いないでしょう。

れではU2 system controllerに注目してみることにしましょう。

U2 system controllerは、Uni-North 1.5 ICと比較して、次の2点が強化されています。

ひとつは、PC2700 SDRAMを代表とするDDRメモリのサポートです。DDRメモリの詳細は省略しまが、実際のPMG4 MDDでこの性能強化を正しく評価することは、大変難しい作業です。メモリインターフェースの性能強化にCPU側のMPXバスが追いつかず、ボトルネックとなるため、性能向上を観測することができないからです。

たとえば、262_ Memory block transfer performance of U2 system controller and 167MHz MPX BusにCacheMarkによる測定結果を示しました。PowerMac G4 Mirrored drive doors 1GHzの値と、Uni-North 1.5 ICのPowerBook G4 DVI 800の比較です。

CPU内部のコアに隣接するL1やL2、また専用のDDRバスで接続されたL3 cacheはクロック比相当の性能向上が観測されました。

しかし、理論上333MHzの転送能力を期待させるPC2700メモリ部分は、約30%強の向上しか認めていません。これは133MHzのMPX Busを採用したPowerMac G4 Mirrored drive doors 867MHzを測定するともっとはっきりします。266MHz相当のPC2100メモリを持ってしても、約330Mbyte/sec程度の転送能力しかなく、SDRのPowerBook G4 800 DVIと比べて10%強の向上にとどまっています。原因はMPX BusがSDRのまま性能向上していかないからにほかありません。このことはGPUへのデータ転送にも悪影響を及ぼしています。263_ ATA interface and AGP performanceでは、MPX Busの速度が異なる二つのPMG4 MDDに、同じATI 9000Proを組み込み、測定を行いました。転送速度を評価できるLarge Image copybitsテストを行いデータ転送速度を測定しました。

性能差はMPX Busクロック比に近い21%となりました。PMG4 MDD 867MHzの結果は、PowerBook G4 DVI 800と同じ結果でした。238_ Bottleneck in the pathway of copybit benchmarkで計測した結果から、


133MHz SDRのMPX Busの限界がこの程度であると考えられます。

うひとつ、ATAインターフェースがU2 system controllerの強化点です。これまでもUni-North IC内部では、PCIバスが二系統装備されていました。一つはGigabit EthernetやFireWireといった比較的高速かつ大容量のデータを転送するものです。そしてwrite combineをサポートし、KeyLargo ICなどのSouth Bridge ICを接続する外部PCIバスです。また、iMacやiBookでおなじみのPangea ICは、ATAインターフェースがNorth Bridgeに一体化されていました。

それではU2 system controllerがPagena ICに外部PCIを加えたものにすぎないのでしょうか。私は異なると考えています。Pangea ICは、基板の省スペース化と安定性の向上のために従来、二つに分かれていたNorth BridgeとSouth Bridgeを一体化したものであるのに対し、U2 system

controllerはNorth Bridgeに高速ストレージ用インターフェースを集積したものであると考えています。

Pangea ICのATAバスはPangea内に集積されたKeyLargoセクションを経由してATAインターフェースを実現しているのに対し、U2 system controllerのATA 100は、高速デバイス用PCIバスに直結し、低速デバイスやビット幅の狭く、アービテーションが高頻度に発生しやすいPCIバスと分離していると考えられるからです。実際、ATA100が接続するPCIバスにはwrite combineが実装されていません。KeyLargoやPCIスロットは、write combineが可能な 外部PCIバスに接続されているのです。

一方、Xserveの場合2カ所にPCI-PCIブリッジを配し、ATA 100インターフェースを優先しつつ、Gigabit EthernetとPCIが競合しないようにバスを分けるなど、設計理念が異なります。

実際に基板を観察しても、U2

system controller周辺に、付属物はみつかりません。集積という点での完成度はとても高いと感じました。それでは、その性能は遺憾なく発揮されているのでしょうか。

263_ ATA interface and AGP performanceにでU2 system controllerがもつATA 100と、外部 PCIバスとKeyLargo ICを経由したATA 66とを、同じハードディスクを使って速度を測定してみました。たしかにATA 100の性能が高い結果がでましたが、期待値には遠く及ばず、PowerBook G4 DVIの2.5インチハードディスクと比較しても低い値がでてしまいました。今後の熟成が待たれる部分でしょう。

U2 system controllerは、今後PowerBook Seriesに搭載されていくとになるでしょう。PowerBook でもDDR メモリを利用できる日は、そう遠くないと思います。その前にCPUの性能がこれまで以上に向上する必要があるのは明白でしょう。

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