1994年当時、NeXTがハードウェアから撤退する替わりに、Intelベースへ移植したNeXTSTEP
3.3J for
Intelを利用するため、組み立てたDOS/V機が、004_
DOS/V white NeXTです。
マザーボードにはDual
Pentiumのボードを選択しました。結局のところNEXTSTEPがDual
CPUに対応することはなかったのですが、もともとMach
OSであるNEXTSTEPが正常進化していれば、当然マルチCPUに対応すると思い選択しました。このとき日本のNeXTユーザー会であるネクサスでも、マルチCPUのマザーボードにこのOSを載せたことのある人は見当たらず、ショップに相談してももちろん、保証の範囲でもないし、乗せて動いたという人も聞いたことがないとの対応でした。誰かがやるまで待てない性分の私としては、結局忠告を無視して、このマザーをシングルCPUとして稼動させることにしました。
このASUSTek PCI/E-P54NP4は、チップセットがIntel
Neptune 82430N
PCIset(TM)とWrite-backの2次キャッシュのstatic
RAMを256KB(12ns)搭載していましたが、元々NTサーバー向けのボードなので熱対策や信頼性、拡張性を買ったわけです。
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しかしその選択は非常に高価なものになりました。当時16万円ほどしたEISA
SCSIボードを購入し、RAIDを目指しました。しかし、SCSIボード上にキャッシュを搭載し、最後にRAIDを組む段になって、RAIDコントロールチップだけが輸出規制に合い、結果的にRAID
5を実現することはありませんでした。さらにグラフィックカードも表示させるまで、一筋縄ではいかなかったのです。
選択範囲がとても狭いSCSIカードに比べればいろいろ選べたとはいえ、当時のNEXTSTEP
For
Intelはグラフィックカードにの選択も大変気を遣いました。発色の良さ、描画スピードの速さなどからNumber
Nine Corp.のGXE64Pro Graphics adapter(PCI
version)を選択しました。発色、画面の解像度とも当時としては満足できるものでした。NANAOのトリニトロンモニターとの組み合せは、Black
NeXTのフィリップス純正モニタを見慣れた目には、OSの印象を変えるほど鮮やかでした。
しかし、このボードがあっさり動いたわけではありません。1995年4月27日版のドライバーが、
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グラフィックスカードのBIOSのRev1.03.08以上はサポートしないという制限があったのです。この箱を開けないとわからないBIOSのおかげで、古いBIOSにあたるまで、カードを何枚も購入するはめになったのです。
こうして、SCSIカードもグラフィックスインターフェースカード、サウンドカードも何枚もムダにしながら、やっと組あがったのが004_
DOS/V white
NeXTです。今では全く使用することなく、オブジェになってしまっていますが、当時の苦労を考えると手放す気持ちにはなりません。
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