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28/Feb

MK1814GAV

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PowerBook (FireWire)で残念ながらATA-66の効果がはっきりしなかった原因の一つに、まだ2.5inchハードディスクの性能がATA-66を本当に必要など、成熟していないのではという疑問がつきまといます。

今回、PowerBook G3 Series 1999及びPowerBook (FireWire)に内蔵できる最大容量である18Gbyteハードディスクとして、有望株であるToshiba MK1814GAVを入手して実力を探ってみました。

fig.1 Toshiba MK1814GAV

このハードディスクがこれまでの2.5インチハードディスクと最も違うのは、これまで一般的だった内蔵キャッシュ容量512Kbyteの倍、1MByteを搭載していることです。

ノートンによるベンチマークテストでは、Random readが優秀であることが伺えます。今回は私のリファレンス機でもう少し詳しく調べてみることにします。

比較検討するのは、現在2.5inch HardDisk最速の5411回転、IBM Travelstar 25GS(DARA-225000)です。調査方法はB'sBenchを使用し、一般使用状態に近いようにドライバーを経由した状態での測定です。

条件を出来るだけ同じにするため、それぞれ同じ容量のパーテーションにして、同じ内容をコピーし、スピードディスクを実行した直後に測定しました。ただコピーしただけでは最もアクセスされるだろうディレクトリ領域が断片化しています。起動ディスクをコピーで作成した場合は一度スピードディスクを実行したほうが良いでしょう。

fig.2 測定はPowerBook G3 400/14で行っています。比較したのは6GbyteのOEMディスク。最大13.763Mbyte/sec

(ベンチマーク提供:矢野氏)

起動時間の測定

それぞれ起動ディスクにしてみました、Toshiba MK1814GAVBench Markでは102秒、IBM Travelstar 25GS(DARA-225000)では103秒と殆ど変わりませんでした。

Sequential accesses

fig.3 B's Bechで測定。MK1814GAV.BsはあえてB's Crew 3.0でフォーマットしたもの。

上半分が読みとりで、下半分が書き込み速度になります。意外だったのはB's Crewのドライバーを使用すると特にsequential readの速度が落ちるというこでしょうか。最高速度は僅かに上昇するのですが最低速度が落ち込むので平均は下がります。読み込みに強いMK1814GAVと書き込みに強いDARA22500という構図になるようです。MK1814GAVが健闘していることは確かです。

Random accesses

fig.4 B's Bechで測定。読み込み速度の比較。

読み込み速度の比較です。1Mbyteほどのキャッシュでは結局オペレーティングシステム側のバッファーに吸収されてしまうのでしょうか。メディア密度が高く、回転数の早いDARA22500に軍配が上がっています。しかし、その差はわずかであることは明白です。

fig.5 B's Bechで測定。書き込み速度の比較。

予想以上に違いが出たのがこの値です。小さなファイルの読み書き速度では実に6.5倍もの差がうまれました。書き込み動作に関しては1MByteのキャッシュが有効に働いているようです。しかし、その容量増加と引き替えに速度低下も生んだようです。128Kbyte単位、もしくは256Byte単位のRandom Writeにおいては逆に速度低下が見て取れます。総合的にはMK1814GAVがすぐれていると考えられます。

 

問題点

現在同じ1Mbyteのキャッシュを搭載するMK1214GAPで、MasterとSlave設定が変更できずに起動ディスクに出来ないという問題が、報告されています。

FAQ:MK1214GAPが起動ディスクに出来ないのはなぜ?

今回購入したハードディスクでは問題なく起動ディスクに出来ました。ただし今後、同様のトラブルが発生する可能性は否定できません。

一部問題を指摘されていたCitiDISKとの相性問題ですが、特に問題なくCardBUSモードもPCMCIAモード共にマウントすることが出来ました。特に後者の場合、Wallstreetで使用する限りにおいては起動ディスクにも出来るため非常に便利です。

fig.6 CardBus & PCMCIA CitiDISK for Mac

XcarEt Media Bay Hard Drive for Wallstreetに組み込んだ時も、ホットスワップ、起動ディスク化を含め全く問題なかったことを付け加えておきます。

fig.7 XcarEt Media Bay Hard Drive for Wallstreet

26/Feb

PISMO(4)

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PowerBook (FireWire)の発売は順調のようです。既に多くの方が入手され、そのよさを味わっているのでしょう。日本全国から賞賛の声とともに各種データが送られています。その反面、外観の変更がほとんどなかったために購入に二の足を踏んでいる方も多くいると聞いております。データを交えて、実際にどの程度の変化が有ったのか御紹介しましょう。

毎度ではありますが、ブロック図をご覧下さい。上は今回のPowerBook 500/14 (FireWire)、そして下はPowerBook G3 400/14 (Bronze)です。外観は殆ど変わらないのに、中身は全然違うことが判っていただけるでしょうか。

fig.1 PowerBook 500/14の内部アーキテクチャ

fig.2 PowerBook G3 400/14の内部アーキテクチ

ATA-66のサポートについて

大変期待していたのが、ハードディスクインターフェースの高速化です。PowerBook G3 400/14のハードディスクインターフェースはPaddington I/Oコントローラーの性能の問題で、最大16.6Mbyte/secの上限がありました。最近の2インチハードディスクのバッファー転送速度が66Mbyte/secになっているので、性能を生かし切れていないと考えられます。

PowerBook (FireWire)では、それがATA-66となり、小さなファイルのやり取り、特に512Kbyteのハードディスク上バッファーにヒットする場合は劇的な上昇があるのかと期待しました。

しかし、結果はあまりふるわず、DARA212000の性能としては平凡な値が出ました。(fig.3)

fig.3 PowerBook 500/14 (FireWire)に搭載されたDARA212000のベンチマークテスト結果。比較検討したのはPowerBook G3 400/14 (Bronze)とTravelstar 6GT(DADA-26480)Bench Markの組み合わせ。

ベンチマーク提供:prism氏1)

メモリ転送速度

それではメモリ転送速度を見てみましょう。ブロック図を見ていただくと判ると思いますが、North-Bridge周辺が大きく変更されています。メモリクロック数が66MHzから100MHzになったことで性能が上昇していることが予想されます。

1999年6月にもいち早くPowerBook G3 400/14を購入し、誰よりも早くメモリ転送時間を計測2)しお知らせいただいたNeko-Soft氏より、再びデータを頂戴しました3)

Fig.4にデータを示します。値は相対値ですが、CPU die内部にありCPUクロックで駆動される1次キャッシュ(32KByte)以内に収まるデータは、ほぼクロック比程度の性能向上でした。

fig.4 PowerBook G3 400/14のcache rateを2:1へアップし、cache clockを200MHzにしたものを1としたときの、PowerBook 500/14 (FireWire)の速度相対値。横軸は転送単位。cache mark 1.1.0にて測定1)

データ提供:Neko-Soft氏

比較すべきPowerBook G3 400/14のcache rateを本来の166MHzから200MHzにアップして計測しているため、2次キャッシュに収まる1Mbyte以内のデータはあまり変わりません。しかし、それ以上のデータをやり取りしようとすると約40%の性能向上が実測されました

グラフィック性能

ベンチマークテストをただ実行すると、余り変化有りません。内部の描画エンジンは改善されていることは認めますが体感できるような差はあまりないと考えてしまうかも知れません。

しかし、ベンチマークの落とし穴がそこにあります。ブロック図を見ていただくと一番大きな違いは、グラフィックアクセラレーターとCPUの関係です。PowerBook G3 400/14では他のデバイスと同格にPCIバスにぶら下がっているに過ぎないのですが、PowerBook 500/14 (FireWire)は専用の2×AGPバスで接続されています。66MHz、32bitではありますが、クロックの立ち上がりと下がりにデータが転送されるため実質は133MHz、32bitとPCIと比較すると実に4倍のバンド幅が実現されます。

ベンチマークもグラフィックRAM内部のブロック転送速度はさほど変わらないのですが、CPUから画像を展開するなど直接CPUからデータが送られる場合は2倍の改善がありました1)。同様に文字表示など重要なルーチンもその高速化の恩恵を受け実に1.64倍という改善を見せています。

総括

デザインこそあま変わりませんでしたが、内部的にはAirMacの収容場所を確保し、冷却系を強化。RAGE Mobility 128の搭載も、劇的なスピード上昇を求めるのではなく消費電力と発熱量の低減を重視した節があり、単なるクロックアップにとどまらない何かがあります。新たなPowerBookの出発を予感させる仕上がりだと感じます。

関連アーティクル

PowerBook (FireWire)詳細〜Link Layer,HeatSink,DVD Video〜 20/Feb

Expo special Jon Rubinstein氏への問いかけとPISMO詳細 17/Feb

Expo special PISMO発表〜そのアーキテクチャの予想〜 16/Feb

参考

  1. prism氏よりのベンチマークテストデータ
  2. Bench Mark with Lombard、Lombard 400MHzのCacheMark結果とdie-junction実測値 12/Jun 1999
  3. Neko-Soft氏、私信
  4. CacheMark 1.1.0 ,(C)1998 たなかQ(兄貴工房)

 

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Written/Edited by Y.Yamamoto M.D.
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