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6/Jul.

Inverter Board

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前回、PowerBook G3 Series 1999(Lombard)の薄型化に関連すると思われる問題点を提示いたしました(1

もう一つ、潜在的問題となり得る改悪を指摘します。液晶パネルの薄型化に伴うものです。

Fig.1はWallstreet,PDQの液晶ベゼルの模式図です。液晶下側のアップルマークの裏側当たりにはバックライト用のInverter Boardが存在します。

14インチの液晶パネルは、このInverter Boardを避けるため、やや上側にオフセットして装着されています。

そのために、13インチモデルと違い14インチモデルは液晶パネルの上側の厚みが分厚くなっています。

fig.1 Wallstreetの液晶ベゼルの裏側。アップルマークの裏側あたりにバックライト用Inverter Boardがある。

Lombardは逆に液晶パネルはヒンジ側に寄って装着され、結果的に前後対象な薄型のデザインを実現しています。そのために、Inverter Boardは液晶パネルに装着する場所がなく、本体側に移動しています。

Fig.2はヒンジの化粧パネルを取り去った写真です。ヒンジ中央に絶縁フィルムに覆われたInverter Boardが見えます。

このInverter Boardは比較的発熱が大きいパーツです。Lombardを長時間使用すると、電源キーの周りがだいぶ熱くなりますが、この熱の一部はこのInverter Boardの発熱が含まれていると考えられます。

fig.2 LombardのInverter Board。スリープランプに隣接して液晶パネルのヒンジの中にある。

主要な発熱パーツが全てボトムケースに集中し、キーボード面からの廃熱を放棄した液晶パネルを閉じたままオペレーションできる構造に変更になったため。ため、これまで以上に空冷ファンの役割は大きいと考えられます。

fig.3 内部構造から予想される(2、空冷ファン駆動時のLombardの廃熱構造

空気の流を妨げない環境での使用を心がけるべきだと思われます。(Fig.3)

参考

  1. Click feeling,LombardのTrackPadボタンフィーリングの個体差について 3/Jul 1999
  2. FAQ:Rectification Pane,LombardのHardDisk交換時の注意点 3/Jul 1999

3/Jul.

Click feeling

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PowerBook G3 Series 1999(Lombard)はコストパフォーマンスが大変優れています。当初PowerBook G3 300/14が70万円を越える値段で販売されていたことに比べ、PowerBook G3 400/14は現在43万前後で販売されています。

コストパフォーマンスの上昇は、歓迎されることですが、品質が低下したのでは本末転倒だと思います。

PowerBook G3 Series 1999の中には、非常にトラックパッドのクリックが不明瞭な個体があります。はっきりクリック感の判るものから、相当の力を加えておかないと、ドラッグ中にアイテムを落としてしまうものまで、個体差も大きいと感じられます。

さて、原因はどこに潜んでいるのでしょうか。fig.1はWallstreetのTrackPadを裏側から見た写真です。トラックパッドのボタンスイッチはトラックパッドボタンの真下にあり、左右に渡したホルダーで固定されています。

全ての部品はボトムケースの蓋に全部一体化されているわけです。

fig.1 WallstreetのTrackPadの裏側。

これに比べ、Lombardのそれはどうなっているのでしょうか。薄型化されたため、トラックパッドのスイッチは、Power Supply Board側に移っています。

ボトムケースの蓋側には、単純にトラックパッドボタンのみがあり、直下に存在するPower Supply Board上に配されたマイクロスイッチ(fig.2)を押し下げる仕組みになっていました。

これでは、筐体の精度が甘いと、ボタンのフィーリングが大きく変わってしまいます。私は、一度分解しボトムケースを固定するビスの内、TrackPadの周辺4カ所のしまり具合を調節し、若干ではありますがクリック感をはっきりさせることが出来ました。ただしあまり大きな変化は見込めません。筐体のビスをゆるめると、思わぬ他のトラブルの原因になるおそれもあります。十分注意して下さい。

特に、トラックパッド脇のパームレスト部分を押さえると、トラックパッドボタンが押せなくなってしまうことが有れば、クリアランスに問題がある筐体と言えるでしょう。このトラブルについてのAppleの見解を見守りたいと思います。

fig.2 LombardのPower Supply Board上のTrackPad Switch

30/Jun.

Ultra Wide SCSI CardBus Card

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昨今、MacintoshユーザーはWindowsユーザーに比べ数の上で圧倒的に少なく、特に周辺機器についてはその市場性の乏しさからか、初めからMacintosh用ドライバーは開発されることなく、Windows用の周辺機器を、Macintoshユーザーは横目で見ながら大変悔しい思いをして参りました。

しかし最近のiMacの大ヒットを契機に、USB機器の急激な普及など、Macintoshが周辺機器の世代交代の牽引役を引き受けるなど、ユーザーの活躍が目を引きます。

そうした中で、徐々に増え始めたMacintosh対応周辺機器の一つに今回のラトックシステム(株)(1のCardBus対応Ultra Wide SCSIインターフェースREX-CB32P(fig.1)があります。

このREX-CB32Pは、SCSI機器との転送を、同期転送の場合最大40Mbyte/secで行うことの出来る、RISCチップを内蔵したPCMCIA TYPE IIカードです(2

キットにはBユs Crew2.1が付属しています。

今回、その性能を調べるためUltra Wide SCSI接続されたIBM Ultrastar 9ESを用意しました。(fig.2)これは今回の検証のために新規に購入したものです。この3.5インチのハードディスクの本来の性能が引き出せるよう、Wide SCSI接続が可能なハードディスクケースも合わせて購入しました。Ultra Wide SCSIケーブルは、REX-CB32Pに付属する高密度68ピンケーブル(50cm)を使用し、別途購入したUltra Wideターミネータでターミネーションをしています。

fig.1 REX-CB32P、高密度68ピンUltra Wide SCSIケーブルと高密度50ピンUltra SCSIケーブルの2本のケーブルを標準添付されます。

 まずREX-CB32をPowerBookに認識させるために、REX-CB32 Driverが機能拡張に組み込まれます。ただし、このドライバーを組み込んでもデスクトップにREX-CB32のアイコンは表示されません。従って、アイコンをゴミ箱へドロップしてカードを排出するという、最も一般的なPCMCIAカード排出方法がとれないことを示しています。

ドライバーメディアはCD-ROMにて供給され、必ずしもフロッピーディスクドライブが標準装備でないPowerBookで、インストールに困ることは無いでしょう。

fig.2 IBM Ultrastar 9ES 3.5inch Ultra Wide SCSIハードディスクであり、7200rpm、平均シークタイム7.5msec

この状態でも、MacOS 8..6標準添付のディスク設定1.7.2で、IBM Ultrastar 9ESのフォーマット、記憶ディスクとしての使用、パーテーション分割も出来ます。

ただし、アップル純正のハードディスクドライバーを組み込んでもマウントは自動とは行かず、再起動の度にディスク設定を起動して、手動でマウント作業を実行しなければならないため、その使い勝手に問題が生じます。

そこで、引き続きREX-CB32Pに付属するBユs Crew2.1のインストールを行います。同様にCD-ROMで供給され、インストール自体は大変簡便です。Bユs Crew2.1を使用することによって起動時の自動マウントを実現することが出来ます。

自動マウントするためにはBユs Crew Controlの個別オプションでの「起動時にドライバのインストールを試みる」オプションを有効にして、Bユs Crew Controlが別に用意したドライバーを介してアクセスする必要があります。Bユs Crewの取扱説明書では「全てのデバイスをスキャンしてリムーバブルドライブを探す」オプションと「起動時にドライバのインストールを試みる」オプションの違いは、サーチ時間の節約だけであるとする表記がありますが、後者は明示的にドライバーをオーバーライドすることを可能とするオプションであると理解されます。個別オプションは、「全てのデバイスをスキャン〜」オプションを外さないと選択できません。

さて、SCSIインターフェースを標準装備するPowerBook Seriesにおいて、新たにSCSIインターフェースであるREX-CB32を導入する理由は、転送速度の高速化でしょう。そこで、転送速度の検証を行いました。

実際に数字を上げる前に、PowerBook G3 Series本来が持つ、SCSI機能を整理します。最新のPowerBook G3 Series 1999 (Bronze)にはPaddingtonと呼ばれるI/Oコントローラーが(3、そしてPowerBook G3 Series(wallstreet)にはHeathrowと呼ばれるI/Oコントローラーが搭載され(4、これらのチップが外部SCSIインターフェースも兼ねています。これらの最大データ転送速度は5Mbyte/sec、すなわちSCSI-1規格です。

またベンチマークテストを施行するに当たり、イコールコンディションを目指すため、次のような下準備をしました。まず、速度を調査するディスクは全てHFSplusフォーマットを行い、フォーマット直後にベンチマークを施行しました。最も高いスループットが期待できる、最外周のパーテーションをテストしています。ディスクキャッシュは最小の128Kbyteを指定し、再起動直後にテストした一回目のデータを採用しています。テストごとに再起動を行い、他の影響を小さくするように考慮しました。

ベンチマークにはsystem info(5を使用しています。リファレンスとして、フォーマットする前の通常使用状態のIBM Travelstar 8GS(DYLA - 28100)(6のデータと比較してグラフ化しています。

Fig.3は現在内蔵しているTravelstar 14GS(DCYA-214000)の転送速度です。最大約10Mbyte/secを示しており、この数字に比べると標準搭載されたSCSIインターフェースの5Mbyte/secという速度では、外部ディスクの高速化は見込めないことは十分理解できると思います。

fig.3 通常使用状態の標準装備8Gbyteハードディスクと、Travelstar 14GS(DCYA-214000)の転送速度の比較。

今回テストに利用したIBM Ultrastar 9ESは3.5inch Ultra Wide SCSIハードディスクであり、7200rpm、平均シークタイム7.5msec、メディア転送速度は最外周の最も早い部分で171.1Mbit/sec(21.3Mbyte/sec)、最低保障データ転送速度は外周で13.4Mbyte/secというディスクです(7

このベンチマークテストをFig.4に示します。最大で13Mbyte/secの速度を示しています。Ultra Wide SCSI規格の40Mbyte/secには遠く及ばないものの、ほぼディスク性能通りの速度が出ていることが判りました。

fig.4 通常使用状態の標準装備8Gbyteハードディスクと、REX-CB32PによりCardBusを経由して接続されたUltra Wide SCSIハードディスクであるIBM Ultrastar 9ESの転送速度の比較。

例えば同じUltra Wide SCSIのIBM Ultrastar 18LZXは10000rpmの回転速度、2Mbyteの内蔵キャッシュを持ち、メディア転送速度は最外周では44.3 MB/sec。最低保障データ転送速度は29.5Mbyte/secです(8。今回用意できませんでしたがIBM Ultrastar 18LZXは高価ながらもDOS/Vショップでの在庫を確認しております。

10000rpm級のUltra Wide SCSIハードディスクを外部に用意する場合、REX-CB32は十分その性能を引き出すことが可能であると思われます。

これに対し、CardBusに非対応のPCMCIAカード経由でIDEハードディスクを接続することが出来る、Shining Technology,Inc.のCitiDisk for Macintoshと比較してみましょう。(fig.5)

内部にIBM Travelstar 8GS(DYLA - 28100)を搭載して速度を計測しました。これは8.1Gbyteの容量を持つ、厚み17mmの2.5インチIDEハードディスクであり。4900rpmで平均シークタイム6.1msec、データ転送(メディア転送速度は外周の最も早い部分で107.6Mbit/sec(13.4Mbyte/sec)というスペックを持ちます(9。実測でも約7.5Mbyte/secの転送速度があります(10

fig.5 IBM Travelstar 8GS(DYLA - 28100)を内蔵したCitiDisk for Macintosh

Shining Technology,Inc.はこの夏、CardBusに対応した製品を出すという話であり、CardBusに対応しないCitiDisk for Macintoshを引き合いに出すのは少々気が引けますが、結果的にはFig.6に示すよう、内蔵ディスクの4割。最大でも2Mbyte/sec程度の速度しか出ていません(11

ただし、起動ディスクに出来る、ドライバーがいらない、ホットスワップが可能である、スリープ機能も問題ないと、その互換性、機動性の優位は特筆すべきであり、速度的な問題はまったく無視できる製品であると考えます。

fig.6 IBM Travelstar 8GS(DYLA - 28100)を内蔵したCitiDisk for Macintoshの転送速度。

その点、REX-CB32Pの高速アクセスの代償に、失う機能も大きいと言えるでしょう。もっとも不便な点はスリープ機能をサポートしていないと言うことです。現在のドライバーバージョン1.0.1は、スリープすると、復帰時に必ずフリーズします。回避方法は有りません。例えば、マウントしたディスクをアンマウントし、REX-CB32をPowerBookから取り出したとしても、スリープ復帰時に必ずフリーズしてしまうのです。

2000年5月2日補足:ドライバーが更新されV1.0.1-R7を使用することで、スリープに対応しました。

取扱説明書にも大きく明記してある事項とはいえ、マシンの再起動せずにすぐに作業に入ることの出来るスリープ機能を殺さなくてはならない仕様は是非、今後の改善を望みたい部分です。

また、取扱説明書に明記されていますが、最大15台のSCSI機器を接続することの出来るWide SCSI規格ですが、REX-CB32がサポートするのは2台まで、最長1.5mという制限があり、多くの機器を接続することを考えているユーザーは注意を要するかも知れません。

大きな欠点はあるにせよ、内蔵ディスクより3倍高速である10000rpm級Ultra Wide SCSIハードディスクを利用できるというメリットは、新たなPowerBookの世界への入り口かも知れません。

参考

  1. ラトックシステム株式会社
  2. Ultra Wide SCSI CardBus PC Card,REX-CB32P,標準価格33800円
  3. Apple computer:developer Note,PowerBookG3Series_1999
  4. Apple computer:developer Note,PowerBook G3 Series
  5. The Norton Utilities 4.0,1994-1998 Symantec Corp. All rights reserved.
  6. IBM Travelstar 14GS,Travelstar 14GS(DCYA-214000)について,17/Mar 1999
  7. IBM Ultrastar 9ES
  8. IBM Ultrastar 18LZX and 36ZX hard disk drives
  9. IBM Travelstar 8GS
  10. Expansion Bay Unit,Reference
  11. CitiDisk,21/Mar 1999
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メディカル マッキントッシュ

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Written/Edited by Y.Yamamoto M.D.
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